ウィルソンのラケットで、ウルトラとウルトラツアーってあるけど、いったい何が違うの?スペックや違うところについて教えて!
今回は、ウルトラとウルトラツアーの違いについて解説していきます。
この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- スペックの比較
- 使用感の違い
など。
先に結論から言っちゃうと、
ボレーをメインにするならウルトラ、ストロークをメインにするならウルトラツアー
って感じです。
ウィルソン ウルトラとウルトラツアーの違いを徹底解説
ウルトラとウルトラツアーの違いについては以下の3つです。
- スペック
- フレーム形状
- 設計コンセプト
スペックの違い
まずは各シリーズの代表であるウルトラ100とウルトラツアー95CVを比較してみます。
ウルトラ100 | ウルトラツアー95CV | |
フェイス面積 | 100inch | 95inch |
長さ | 27inch | 27.25inch |
重さ | 300g | 309g |
バランスポイント | 320㎜ | 325㎜ |
フレーム厚 | 24.0/26.5/24.0㎜ | 22.0㎜ |
ストリング・パターン | 16×19 | 16×20 |
こんな感じで、すべての項目において違いがあります。
ウルトラは標準的なスペック(黄金スペック)なのに対して、ウルトラツアーは0.25inch長くて、9g重くて、5㎜バランスポイントがヘッド寄りのトップヘビーなラケットです。
さらにフェイス面積も5inch小さかったりで、まさに上級者のためのモデルとなっています。
ウルトラツアーのこの設計は、錦織選手が世界の体格のいい選手と戦うためにウィルソンが開発した錦織選手専用のスペックってことだね!
※もともとウルトラツアー95CVのスペックを使う前は、ウルトラツアー95Jのスペックのラケットを使っていました。錦織選手の進化と同様にラケットも進化していったというわけですね。
次に、全部のモデルを比較してみましょう。
※スマホからだと全部見えないので、右にスクロールしてください。
ウルトラ100 | ウルトラ100L | ウルトラ100UL | ウルトラ108 | ウルトラツアー95CV | ウルトラツアー95J | ウルトラツアー100 | |
フェイス面積 | 100inch | 100inch | 100inch | 108inch | 95inch | 95inch | 95inch |
長さ | 27.0inch | 27.0inch | 27.0inch | 27.25inch | 27..25inch | 27.25inch | 27.25inch |
重さ | 300g | 280g | 260g | 270g | 309g | 290g | 293g |
バランスポイント | 320㎜ | 320㎜ | 330㎜ | 335㎜ | 325㎜ | 340㎜ | 330㎜ |
フレーム厚 | 24.0/26.5/24.0㎜ | 24.0/26.5/24.0㎜ | 24.0/26.5/24.0㎜ | 24.0/26.5/24.0㎜ | 22.0㎜ | 22.0㎜ | 22.0㎜ |
ストリング・パターン | 16×19 | 16×19 | 16×19 | 16×18 | 16×20 | 16×20 | 16×20 |
こんな感じで、ウルトラシリーズはどのモデルを見ても、比較的標準スペックなのがわかると思います。
対して、ウルトラツアーシリーズは、どれもトップヘビーで0.25㎜長く作られているので、より遠心力を利かせたスイングでハードヒットがしやすいモデルになっています。
各シリーズをざっくりまとめると、ウルトラは初心者から使えて、ウルトラツアーは中級者から使えるといった感じですね。
ウルトラツアーはクセが強くて、しっかりスイングできないとラケットの機能を活かすことができないよ!
フレーム形状の違い
違いを見るときにはスペックはよく確認すると思いますが、じつはフレームの形がそもそも違います。
先ほどスペックでも確認したと思いますが、フレーム厚もかなり違います。
ウルトラのフレーム形状
フレーム形状は割と丸い感じで、面の大きさが際立つような感じです。
フレーム厚は、24.0/26.5/24.0㎜と結構厚いです。
これだけ厚いと面の安定性は抜群で、どんなボールが来てもブレることはありません。
相手の威力を上手く使った、サーブレシーブやボレーなどのブロックするときに、本当に面が安定していて強さを感じるよ!
ウルトラツアーのフレーム形状
フレーム形状は、丸いけど縦長な感じです。
フレーム厚は、22㎜と薄目の設計になっており、自分からパワーを伝えていくスタイルの人にぴったりです。
縦長のフレーム形状と絶妙なフレーム厚で振り抜きのしやすさを感じるよ!
設計のコンセプト
ウルトラの設計コンセプト
設計コンセプトを一言でいうなら
ボレーを追求したラケット
ウルトラは、ガットのたわみを大きくし、より柔らかい打球感とホールド感を感じることができます。
さらに、新たなテクノロジーによってフレームは安定感を増し、振動も軽減されている。そんなふうに設計されました。
だからこそボレーの時にも面が安定して、ボールしっかりコートの中に収めることができるんですね。
ボレーのしやすさはもちろん、ストロークやサーブでもラケット独自のパワーを発揮してくれるから、どんなプレーヤーにも合うはずだよ!
ウルトラツアーの設計コンセプト
設計コンセプトを一言でいうなら
ストロークを追求したラケット
ウルトラツアーは、トップヘビーになっているので、遠心力を利かせてハードヒットすることができます。
圧倒的なスイングの加速力で、バウンド後の伸びを加速させて、相手をどんどんコートの後ろに追い込むことができます。
ストロークの質を追い求めたからこそ、この設計になりました。
ストロークで打ち負けないのはもちろん、サーブでもヘッドが加速していくので、鋭いスイングができるよ!
ウルトラとウルトラツアーが似ている理由
ウルトラツアーが誕生するまでの流れ
ウルトラツアーが誕生するまでの流れを紹介します。
バーンはスチームの後継モデル。スチームを使用している途中で、今の重さ309g、バランスポイント325㎜に変更した。
バーン95に新たなテクノロジーとしてCV(カウンターベイル)が搭載された。CVは衝撃吸収性能が期待できるため、疲労軽減やケガのリスクを最小限に抑えることができる。
バーン95CVに、ウルトラに搭載されているクラッシュゾーンをつけることで、「クラッシュゾーンが搭載されたバーン」=ウルトラツアーの誕生。
クラッシュゾーンが搭載されたことにより、バウンド後のボールの伸びが一段と強力なものになった。
こんな感じで錦織選手とウィルソンはラケットを進化させていき、ウルトラツアーが誕生しました。
ウルトラツアー95CV V4.0では、V3.0の時に使っていたクラッシュゾーンも進化して、スイートスポットの拡張比率は2.7%⇒3.0%になりました。
フェイス面積95inchにもかかわらず、98inch相当のたわみを実現し、パワーアップすることに成功しました。
ウルトラのパーツをつけているから、ウルトラツアーになったんだね!
見た目が似ているのも納得だよ!
ウルトラツアーとしてラインナップに
ウルトラツアーが誕生した後は、ウルトラやバーンとは別に新たなモデルとして、ウルトラツアーシリーズがウィルソンのラインナップに加わりました。
錦織選手が使用していたこともあり、ウルトラツアーはすぐに認知され、多くの日本人プロテニス選手が使用しています。
逆に外国の選手でウルトラツアーを使っている選手はいません。
外国の選手はパワーがあり、ウルトラツアーのパワーを必要とはせず、どちらかというとウルトラを使っている選手が目立ちます。
日本人プロ選手は世界で戦っていくためにもパワーが必要なので、ウルトラツアーを使って打ち負けないようにしているのです。
ウルトラツアーは自分よりもパワーのある選手に打ち負けないために作られたもので、パワーのある選手は日本国内で戦っているのであればウルトラでも問題ないってことでもあるのかな!
ウルトラとウルトラツアーの使用感と選び方
それでは、ウルトラシリーズとウルトラツアーシリーズの使用感と選び方について解説していきます。
ウィルソン ウルトラ100 V4.0
- フェイス面積:100inch
- レングス:27.0inch
- 重量:300g
- バランス:320㎜
- フレーム厚:24.0/26.5/24.0㎜
- ストリング・パターン:16×19
- グリップサイズ:2.3
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
ウルトラの中で唯一の黄金スペックラケットです。
ガットのたわみが大きく、心地よい打球感と快適なボールの飛びが特徴的です。
ウルトラ100のメリットは、
- バランスのいい性能でどんなプレーヤーにも最適
- パワーアシストが強めだけどボールはコートに収まる
- 操作性が高く、ボレーがしやすい
- 面の安定性が優れていて、どんなボールにも負けない
以上のことから、どんなプレーヤーにも最適なラケットかつ、どんなに強いボールに対しても打ち負けない面の安定感があります。
ウルトラ100は、初心者から上級者まで使えるラケットなので、パワーがある中にも柔らかい打球感がほしい方におすすめです。
ザ・黄金スペックのラケットなので、ラケット選びに迷った時には、絶対に候補に入れたいモデルだよ!
ウィルソン ウルトラ100L V4.0
- フェイス面積:100inch
- レングス:27.0inch
- 重量:280g
- バランス:320㎜
- フレーム厚:24.0/26.5/24.0㎜
- ストリング・パターン:16×19
- グリップサイズ:1、2
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
基本的にはウルトラ100と同じ性能で、唯一重さが280gと20g軽い設定になっています。
ウルトラ100Lのメリットは、
- 柔らかくホールド感が強い打球感
- パワーアシストが強めだけどボールはコートに収まる
- 操作性が高く、ボレーなどの面を作る動作がしやすい
- 軽いけど面の安定性が良いから打ち負けにくい
以上のことから、柔らかくてホールド感があり、パワーがあるけどボールはコートに収まってくれます。
軽いからこそ操作性が高く、面の安定性が優れているため、ボレーなどの素早く反応するときにも、面を作っておけば楽に返球することができます。
ウルトラ100よりも操作性を重視したい方、もうちょっと軽いラケットが使いたい方におすすめです。
初級者から中級者におすすめだよ!
上級者だと軽すぎて少し物足りないかも!
ウィルソン ウルトラ100UL V4.0
- フェイス面積:100inch
- レングス:27.0inch
- 重量:260g
- バランス:330㎜
- フレーム厚:24.0/26.5/24.0㎜
- ストリング・パターン:16×19
- グリップサイズ:1、2
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
ウルトラ100よりも更に軽いモデルで、バランスポイントが330㎜と少しトップ寄りの設計になっています。
ウルトラ100ULのメリットは、
- 軽くて操作性が高い
- 柔らかくホールド感のある打球感
- トップヘビーなので振り抜きがしやすい
- 面の安定性が優れているから打ち負けない
以上のことから、基本的にはウルトラ100と同じですが、トップヘビーなので重さがない分遠心力でカバーしていくラケットです。
超初心者や女性、中学生の方におすすめです。
トップヘビーだからストロークで鋭いスイングができるよ!
筋力が相当弱くても爽快に振り抜けるから「ストロークの鬼」なんて呼ばれたりして。。
ウィルソン ウルトラ108 V4.0
- フェイス面積:108inch
- レングス:27.25inch
- 重量:270g
- バランス:335㎜
- フレーム厚:24.0/26.5/24.0㎜
- ストリング・パターン:16×18
- グリップサイズ:1、2
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
フェイス面積が108inchとウルトラシリーズの中で唯一のオーバーサイズの設計になっています。
ウルトラ108のメリットは、
- 楽にボールを飛ばすことができる
- ガットのたわみが大きく、柔らかい打球感とホールド感がすごい
- スイートスポットがめちゃくちゃ広い
- ストリング・パターンが荒いから回転がめちゃくちゃかかる
以上のことから、オーバーサイズはめちゃくちゃサポート能力が高いです。
オーバーサイズ特有のボールの飛びは、面の安定性からかしっかり抑えられていて、ふかしてアウトする場面はありませんでした。
デカラケで迷っているお年寄りの方におすすめです。
面の安定性が優れているから、面を作りさえすればしっかりコントロールできるよ!
スイートスポットも広いから急な反応でも芯を外さないで打つことも大きなメリットだね!
ウルトラツアー95CV V4.0
- フェイス面積:95inch
- レングス:27.25inch
- 重量:309g
- バランス:325㎜
- フレーム厚:22㎜
- ストリング・パターン:16×20
- グリップサイズ:2、3
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+カウンター・ベール+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
ウルトラツアーの中で、一番の上級者スペックの設計になっています。
ウルトラツアー95CVのメリットは、
- バウンド後の伸びがすごすぎる
- フェイス面積が95inchと小さいから振り抜きがしやすい
- ラケットが重いからボールが潰れてくれる
- クラッシュゾーンによって柔らかい打球感とパワーが両立
以上のことから、ウルトラツアー95CVは扱うことができるなら、ストローカーにとってこれ以上サポートしてくれるラケットはないでしょう。
ウルトラツアー95CVはパワーのある上級者におすすめです。
ウルトラとウルトラツアーの中で、もっともパワーを必要とするラケットだから扱うのは大変かも!
扱えたらストローク戦では負けなしだね!
詳しくは、ウィルソン ウルトラツアー95CV V4.0のレビュー・インプレで解説しているので、ぜひ読んでみてください。
ウルトラツアー95J V4.0
- フェイス面積:95inch
- レングス:27.25inch
- 重量:290g
- バランス:340㎜
- フレーム厚:22㎜
- ストリング・パターン:16×20
- グリップサイズ:1.2.3
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+カウンター・ベール+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
ウルトラツアー95Jは、ウルトラツアーの中で一番のハンマーバランス(トップヘビー)の設計になっています。
ウルトラツアー95CVに比べると、ボールの重さやバウンド後の伸びは劣るものの、軽いので操作性が良くスピンとスピードを両立させることができます。
ウルトラツアー95Jのメリットは、
- 軽い分振り抜きが良くスイングスピードが上がる
- ヘッドが走ってくれるからスピンがかけやすい
- サーブでもヘッドが走るのでスピードが速くなる
- 感覚的にアウトのボールがコートに収まる
以上のことから、ウルトラツアー95Jはストロークに特化したラケットであることが分かります。
ウルトラツアー95Jは、中級者から上級者におすすめです。
ウルトラツアー95CVだと重くて大変な場合には、ウルトラツアー95Jの方がいいよ!
バランスポイント340㎜の威力は半端じゃないよ!
詳しくは、ウィルソン ウルトラツアー95J V4.0のレビュー・インプレで解説しているので、ぜひ読んでみてください。
ウルトラツアー100 V4.0
- フェイス面積:100inch
- レングス:27.25inch
- 重量:293g
- バランス:330㎜
- フレーム厚:22㎜
- ストリング・パターン:16×20
- グリップサイズ:1.2.3
- 適正テンション:50-60p
- 素材:BLX+カウンター・ベール+ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー
ウルトラツアー100は、ウルトラツアーの中でも唯一のフェイス面積100inchの設計になっています。
フェイス面積95inchのウルトラツアーに比べると、ガットのたわみが大きく、より柔らかい打球感とホールド感を感じます。
ウルトラツアー100のメリットは、
- 100inchだから大きなパワーが生み出せる
- トップヘビーだから振り抜きが良い
- 適度なパワーアシストで攻撃的なストロークが打ちやすい
- ボールが良く飛ぶしスピンがかけやすい
以上のことから、フェイス面積95inchよりもガットのたわみが大きく、よりパワーを出しやすいラケットになっています。
ウルトラツアー100は、中級者から上級者、とくに女性には大きなサポートになってくれるのでおすすめです。
フェイス面積が95inchだと厳しいという方は、ウルトラツアー100を選ぼう!
とくにストローク戦になりやすい女性にとって、ストロークで有利に展開できるよ!
詳しくは、ウィルソン ウルトラツアー100 V4.0のレビュー・インプレで解説しているので、ぜひ読んでみてください。
まとめ
ウルトラとウルトラツアーのシリーズの違いについて解説してきました。
もう一度簡単にまとめると、
- ガットのたわみやすさ
- 面の安定性
- 設計コンセプトはボレーヤー向き
- トップヘビーによるハードヒットのしやすさ
- バウンド後の伸び
- 設計コンセプトはストローカー向き
どちらも良いラケットなのは変わりません。
使用感はかなり違うので、目的や自分にはどっちが向いているかを考えたうえで選ぶといいですね。
ちなみにぼぶは、ストロークが大好きだからウルトラツアーを選んだよ!
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